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X編 高齢者支援展開論(居宅サービス事業各論)



● 医学管理サービス方法論 (U−3)

医学管理サービス
= 医師が患者の自宅を訪問し、医療の視点からサービス対象者の
身体的・精神的状態を把握し、適切な処置を行う

医学管理サービス利用者の特性 =
@症状が不安定で悪化、再発、合併症を起こしやすい
A治療を必要とする疾患をもっている
Bリハビリを必要とする
C生命維持に必要な器具をつけている
D一時的な疾病にかかりやすい
E入院・入所の判断を要する

口腔管理 = 歯科疾患を治療・予防することは、健康状態の維持に不可欠で、高齢者のQOLの向上につながる

8020運動 = 80歳になっても20本の歯を保とうとする運動

歯科衛生指導利用者の特性 =
@脳卒中後遺症で言語障害、口腔麻痺があり、口腔内に食物が停滞し、不衛生になる
A高齢者は唾液分泌量が少なく、それが味覚低下、食欲低下につながる
B脳卒中後遺症のため摂食障害があり、口腔内不衛生となり、嚥下も障害されて誤嚥性肺炎を起こすことが多い
口腔管理の実際 = @食事の姿勢:誤嚥を防ぐためできる限り椅子に座るか、ベッド上で座位をとる
A口腔のチェック:う歯の有無、口腔内粘膜の傷、出血、舌の色、舌苔の有無
B入れ歯:1日1回は清掃、夜間ははずし、消毒液につけておく、誤嚥に注意

薬剤管理 = 薬剤師が高齢者(居宅者)にも薬剤の適正使用の指導をする

薬剤管理指導利用者の特性 = @複数の疾病を有している
A複数の診療科、医院・病院を利用し、薬物をもらっている
B治療薬のほかに一般薬を併用している
C生理的身体的機能の低下から、高齢者は薬効が出やすく、また副作用が出やすい

薬剤管理の実際 =
@薬物管理表:服用中の薬や一般薬を記載し、一覧とする
A薬物の副作用の確認
B薬物の使用目的の確認:処方医の処方意図を医師から、一般薬の使用意図を要介護者や家族から聞いて確認
C薬物の適正使用の確認:服用時間、服用法、薬物情報の確認
D患者に薬物情報を伝える:薬の名前、副作用、他剤との相互作用、薬の飲み方


● 訪問看護方法論 (U−48)

訪問看護 = 居宅要介護者に居宅で看護婦等が訪問して療養上の世話、または必要な診療の
補助を行う(保健婦(士)、助産婦、看護婦(士)、准看護婦(士)など)

訪問看護の内容 =
@療養上の世話:入浴介助や清拭、食事の援助、排泄の援助など
A医師の指示のもとに行う診療の補助、 Bリハビリテ−ション C家族支援
D社会生活拡大の支援 E精神的支援 F他のサービスとの連携

訪問看護の実際 =
@利用者の紹介:訪問看護サービスの必要性を判断し、医師から訪問看護の指示書を得て訪問看護サービスの導入を決定
A課題分析の方法:課題分析ツールを用いて問題点を特定していく、訪問看護の役割は重要
B介護サービス計画の策定:訪問看護婦は利用者や家族のニーズを把握しやすいので、
ほかのケアにかかわる専門職と協力して利用者、家族の生活状況、価値観などを考慮して介護サービス計画を立てる

訪問看護の視点 =

@予防的なかかわり A療養上の世話を基本に必要な医療処置を行う
B在宅療養者とともに家族もケアの対象とする
C対象者の生活の仕方、生き方、価値観を尊重したケアを行う


● 訪問介護方法論 (U−62

訪問介護 = 高齢者の居宅生活を支援するため、身体介護、家事援助、相談・助言という機能を果たす

訪問介護の内容
@介護(食事、排泄、衣類着脱、入浴、身体の清拭、洗髪、通院)
A家事(調理、衣類の洗濯や補修、生活必需品の買物、住居の清掃・整理整頓、医療機関との連絡)
B相談・助言(生活、身の上、介護、住宅改修に関することなど)

訪問介護の目的 = 個々の生活習慣や文化、価値観を実現していく、生きることの喜び・意味を見出すように援助する、予防的な処置をする、
状態の変化を発見し、他の専門職やサービス機関へつなぐ

訪問介護の実際 = 介護の立場から知り得る情報を集め、他職種へ伝えるとともに、他職種から健康・疾病・医療に関する情報を得て、それを実際の介護に役立てる
@相手が何を望んでいるかを知り、それをかなえるように努める
A現状を改善したり、維持(悪化防止)に努める
B将来起こりうる危険性を予測して危険を回避・予防する


● 訪問入浴介護方法論 (U−76)

訪問入浴介護 = 利用者の特性に応じて、安全で爽快感の得られる入浴を確保するために行われる(精神的効果と褥瘡予防などの身体的効果
入浴は、仰臥位で湯温39℃以下、10分以内が心臓、血圧への影響が少ない

訪問入浴時の感染の防止 =
@感染者の場合には、主治医から具体的な感染防止についての指導を受ける
AMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、 緑膿菌などの感染者は、その日の最後の入浴にして入浴後消毒する
B利用者の血液や排泄物に直接触れないようにし、介護者も十分な手洗や消毒する
C訪問入浴従事者は、感染のおそれがあったり、手指などに傷がある場合は就業を避ける
D浴槽や共用で使用する器具・器材は、1人ずつ使用した後に洗浄・消毒を行う

感染予防の三大原則 =
@感染源を隔絶あるいは除去
A感染経路を遮断
B感受性者は抵抗力を高める

訪問入浴介護の実際 =
@訪問入浴制度の実際を要介護者や家族に説明する
A訪問入浴の可否の判断は主治医または医師が行う、その可否について利用者および家族とよく相談する
B家族の協力とサービス提供機関、地域の医療機関との密接な連携により安全な訪問入浴介護が確保できる

入浴の効果・作用 = @温熱作用、 A静水圧作用、 B心臓・血管への影響


● 地域リハビリテ−ション方法論 (U−90)

リハビリテ−ション = 「社会的自立」「普通の市民としての生活―ノーマライゼーション」を最終的な目標とすることによって人間的復権を得ること

地域リハビリテ−ション = 「社会参加」「自立」「QOL」を直接的な課題とし、その結果としてノーマライゼーションや人間的復権を目指す活動の総体

「閉じこもり症候群」の要因 =
@身体的要因−脳卒中等の障害や高齢による体力低下
A心理的要因−障害や高齢に伴う活動意欲や社会参加意欲の低下
B環境要因−物理的環境による行動の制限、人的環境

地域リハビリテ−ションの方法 =
@社会参加促進、
A専門的な自立性・活動性の獲得
B家庭でのADL自立支援(本人、家族、環境整備、等)

地域リハビリテ−ションの実際 = ニーズの中心は「ADLの自立」とその結果としての「介護負担」の軽減、「社会参加」にある

リハビリテ−ション前置 = 医療機関および地域リハビリテ−ションを十分に利用することによって、
利用者の自立を図り、あるいは要介護状態になっても介護が最小限となるようにすること


● 通所介護方法論 (U−99)

通所介護(デイサービス) = 昼間にデイサービスセンターに居宅要介護者などの高齢者を集めて、比較的小集団の範囲でサービスを提供
デイサービスは社会生活の助長を目標とし、デイケアは機能訓練を中心にして身体面の維持改善を目標としている

通所介護の目的 =
@高齢者の健全で安定した在宅生活を助ける
A社会的孤立感を解消する B心身機能の維持・向上を目指す
C家族の身体的・精神的負担を軽くする

通所介護の実際 =
@外出と社会的交流
A家族の負担軽減
B機能訓練
C在宅生活への継続

デイサービス運営事業 =
@基本事業:(6種)生活指導、日常動作訓練、養護、家族介護者教室、健康チェック、送迎
A通所事業:(2種)給食サービス、入浴サービス
B訪問事業:(4種)給食サービス、入浴サービス、洗濯サービス、高齢者世話付き在宅(シルバーハウジング)生活援助員派遣事業


● 短期入所介護方法論 (U−106)

短期入所介護 = 短期入所生活介護(ショートステイ)と短期入所療養介護がある

短期入所生活介護 = 居宅要介護者などが特別養護老人ホームや老人短期入所施設などに短期間入所し、
「入浴、排泄、食事などの介護、その他日常生活上の世話や機能訓練」のサービスを受けること

短期入所療養介護
= 居宅要介護者などが介護老人保健施設や介護療養型医療施設に短期間入所して
「看護、医学的管理下での介護・機能訓練、その他の必要な医療や日常生活上の世話」のサービスを受けること

短期入所介護の目的 = 介護者家族の介護負担を軽くし、あるいは介護者家族が病気、冠婚葬祭等のため
自宅で介護できなくなった場合に利用し、家族の生活を安定させる

短期入所介護の実際 =
@柔軟な対応:7日以内が基準だが、家族の状況に応じて延長短縮があり、ナイトケアのみも利用できる
A利用目的を把握する:利用目的によって、最もふさわしい施設を紹介したり、適切な介護サービス計画を立てる
B介護の継続:家庭での介護の延長につながるようにアフターケアを考える


● 痴呆対応型共同生活介護方法論 (U−116)

痴呆対応型共同生活介護 = (グループホーム)小人数(5〜6人程度)の痴呆性老人が家庭的な環境で
共同生活が送ることができるように食事などの日常生活を援助し、痴呆性老人の自立生活および介護する家族の支援を行う事業

痴呆対応型共同生活介護の利点 =
@利用者間の親和関係が育つ
A自立自尊の人間的な回復がある
B家族生活にゆとりがもてる

痴呆対応型共同生活介護の欠点 =
@職員数が少なく、個別的な対応ができない
A小人数のため人間関係のトラブルが起きやすい B医療のバックアップが乏しい

痴呆対応型共同生活介護の実際 =
@利用者が福祉援助の考え方をよく理解したうえで、介護サービス計画を立てる必要がある
A利用者の状態をより的確に把握して、どのようなサービスが最適かを検討する



● 福祉用具貸与等方法論 (U−126)

福祉用具 = 心身の機能が低下し、日常生活を営むのに支障がある要介護者などの日常生活上の便宜を図るための用具、
および要介護者などの機能訓練のための用具であって、要介護者などの日常生活の自立を助けるためのもの

主な福祉用具貸与 =
@起居関連:ギャッチベッド、
A移動関連:移動用リフト、車椅子等
B入浴関連:シャワーチェア、浴槽台、踏み台等
C排泄関連:ポータブルトイレ、特殊尿器等

福祉用具貸与の実際 = @使用目的、 A使用環境、 B利用効果



Y編 高齢者支援展開論(介護施設事業各論)


● 介護老人福祉施設サービス方法論 (U−139)

介護老人福祉施設 = 介護保険施設の1つであり、特別養護老人ホームのこと
「40歳以上の保険事故に該当する要介護者が、自宅で介護サービスを受けても生活を続けることが困難な場合に入所して
介護サービスを利用し、生活を安定させることを目的とする」施設

特別養護老人ホーム = 「施設サービス計画に基づいて行われる、入浴、排泄、食事などの介護、
そのほかの日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話」をする施設

介護老人福祉施設の役割 =
@介護サービス計画に沿ったサービスの提供
A介護サービスは入所者の要介護者のニーズによって異なり、一律的な介護を避ける
B自立支援が重要な介護の視点


● 介護療養型医療施設サービス方法論 (U−150)

療養型病床群 = 長期にわたり療養環境を必要とする患者を収容し、人的・物的に長期療養にふさわしい環境をもつ病床群

介護療養型医療施設 = 療養型病床群と介護力強化型病院

介護力強化型病院 = 高齢者ケアにふさわしい病院で、過剰医療を避け、病院職員による寝たきりにさせないケアに重点をおいて医療を行う病院

介護療養型医療施設の利用者
@急性疾患の回復期および慢性疾患を有する高齢者であって、
A在宅での疾病のコントロール不良、集中的リハビリテ−ションが必要な患者、または
B介護老人保健施設では治療困難な患者

介護療養型医療施設の役割 =
@健康・予防への取り組み
A疾病に対する医学的管理
B介護サービス計画および介護支援サービス
Cリハビリテ−ション
D痴呆患者への対応、
E在宅支援(訪問医療・デイケア・短期入院)
F急変時の対応
Gターミナルケア


● 介護老人保健施設サービス方法論 (U−166)

介護老人保健施設 = 介護保険施設の1つで、
あくまでも利用者のニーズに応える福祉サイドに近いケア施設、
病医院などから病状が安定して退院した高齢者が、家庭へ復帰するための医療、看護、介護、リハビリテ−ション、生活指導などを受け、
高齢者の家庭復帰を容易にし、かつその条件を整え、在宅での生活を継続できるようにする

介護老人保健施設の目的(4原則) =
@要介護者の自立を支援する
A要介護者に家庭的雰囲気でもって接する
B家庭復帰を前提にして長期間の入所を避ける
C地域・家庭との結びつき:入所利用、デイケア、ナイトケア、ショートステイ、訪問指導など在宅ケア支援施設の機能を果たす


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