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第1巻


T編 基本視点(介護保険制度の)…………T−1

● 介護保険制度導入の背景…………T−3


1 高齢化の進展と高齢者を取り巻く状況の変化 …………T−3

1長寿・高齢化の進展…………T−3

◇ 平均寿命は1947年には男50.06年、女53.96年であったのが1995年に、男76.38年、女82.85年で世界一
◇ 我が国の総人口は2007年を境に減少し始め、2050年には1億50万と現在より約2割減となる
◇ 半世紀後には約3人に1人が65歳以上
◇平均寿命の高い国・・@日本、Aフランス、Bスエーデン
◇平均寿命の低い国・・@エジプト、Aナイジェリア、Bブラジル

2高齢化の進展に伴う要介護高齢者の増加…………T−5

◇要介護者・・65から69歳では1.5%程度、80〜84歳=11.5%、85歳以上=24%・・4人に1人
◇別に虚弱老人(常時介護は要しないが、何らかの支援が必要)がほぼ同数
◇要介護高齢者等・・2000年=280万人、2025年=520万人

3介護の長期化・重度化…………T−6

◇3年以上の寝たきり高齢者が、全体の53%、
◇約3/4が1年以上の寝たきり
◇65歳以上の死亡者の平均寝たきり期間=約8.5ヶ月

4家族の介護機能の低下…………T−8

◇65歳以上の同居率・・1975年=68%・・1994年=55.3%
◇高齢者の4割は高齢者単独か夫婦同士で生活

5個人の人生にとっての介護問題…………T−9

◇ 高齢者で「不安を感じることがある」=9割

◇ 「自分や配偶者の身体が虚弱になり病気がちになること」

「自分や配偶者が寝たきりや痴呆性老人になり介護が必要になったときのこと」が

ともに約5割

6家族にとっての介護問題…………T−11

◇実際に介護している者の約5割は60歳以上の高齢者
◇「食事、排泄、入浴などの世話の負担が大きい」=57.5%
◇「家を留守にできない」=36.2%
◇ 「ストレスや精神的負担」=32.0%
◇ 「要介護者に対して憎しみを感じたことがある」・・約1/3を占める
◇ 「要介護者に対して虐待をしたことがある」・・約半数

7社会にとっての介護問題…………T−13

◇ 介護者の内訳で、同別居を合わせて9割が寝たきり高齢者の親族

1 女性問題としての介護問題

◇介護者の85.1%が女性
◇中高年の女性に過重な負担
◇ 将来の労働市場に大きな制約的要因

2 国民経済的にみた介護問題

◇ 社会全体が負担している介護費用は、国民経済計算上、社会保障給付費に計上されているものだけでなく、目に見えない形で、家庭や企業、さらに高齢者本人が負っている


2 現 行 制 度 の 問 題 点 …………T−15

1老人福祉…………T−15

◇ 今日に至るまで、高齢者介護に関する公的制度として中心的な役割を担ってきたのは、「措置制度」を基本とする老人福祉制度
◇その本質は行政処分
◇その費用は、公費、所得に応じた費用徴収
◇「措置制度」の問題点
@ 利用者がサービスの選択ができない
A 所得調査による心理的抵抗感
B 収入に応じた利用者負担(応能負担)のため、中高所得階層にとって重い負担

2医療…………T−15

◇介護サービスは、日常生活全体を支援するサービス
◇ 「社会的入院」=主として介護を必要とする高齢者が長期間、一般病院に入院すること
◇一般病院は、高齢者の長期療養の場としては療養環境が十分ではない
◇医療資源の非効率的な使用を招き、医療費の適正化の点でも問題

3制度間の不整合…………T−17

◇これまでは各制度が相互に十分な関連を持たないまま、個別に対応してきた
◇利用者負担や利用手続等に不合理な格差や差異が生じている
◇「社会的入院」の一因=福祉サービスの利用者負担が中高所得階層にとって重い
◇利用しにくい仕組み


高齢者介護に関する現行制度の問題点

以下の理由で、現行制度による対応には限界

老人福祉

○対象となるサービス
・ 特別養護老人ホーム 等
・ 訪問介護(ホームヘルプサービス)、日帰り介護(デイサービス) 等
<問題点>
◇ 利用者がサービスの選択ができない・・市町村がサービスの種類、提供機関を決めるため、
◇利用にあたっての心理的抵抗感・・所得調査が必要なため
◇ サービス内容が画一的となりがち・・市町村が直接あるいは委託により提供するサービスが基本であるため、競争原理が働かず
◇ 中高所得層(退職サラリーマン層)にとって重い負担・・本人と扶養義務者の収入に応じた利用者負担(応能負担)となるため
(例)サラリーマン所帯(年収800万円)、老親が平均的な老齢厚生年金受給者の割合
特別養護老人ホームの老人本人の負担:14.9万円/月
〃 扶養義務者 〃 :4.1万円/月 → 合計19万円/月

老人医療

○対象となるサービス

・ 老人保健施設、療養型病床群、一般病院 等
・ 訪問看護、日帰りリハビリテーション(デイケア) 等
<問題点>
◇ 社会的入院(=介護を理由とする一般病院への長期入院)の問題・・
・ 福祉サービスの基盤整備が不十分である一方、利用者負担が中高所得者層にとって入院の方が低いから
(特別養護老人ホームや老人保健施設に比べ費用が高く、医療費の無駄)
◇ 治療を目的とする病院では、介護を要する者が長期に療養するには、体制が不十分 (居室面積が狭い、食堂や風呂がない

◇各施設の比較

区分 費用(1人/月) 利用者負担(1人/月) 居室面積(1人当たり)
一般病院 50万円程度 約5.3万円 4.3u
療養型病床群 40万円強 約5.3万円 6.4u
老人保健施設 33万円 約6万円 8u
特別養護老人ホーム 27.1万円 平均4.5万円 10u強

3 社 会 保 険 方 式 の 意 義 …………T−19

◇わが国の社会保障制度のあり方、給付と負担の明確性を考慮
◇保険料を財源の中心とする社会保険方式により、
◇介護費用を将来にわたって安定的に確保
◇高齢者の適切なサービス利用を保障

1我が国の社会保障制度のあり方…………T−19

◇自己責任を基本としつつ相互扶助で支える社会保険方式で対応

2給付と負担の関係の明確性…………T−19

◇ 「公費方式」=租税財源の配分、
「社会保険方式」=保険料の使途が介護費用に限定
◇「公費方式」より「社会保険方式」のほうが保険料負担と給付の関係が明確

3利用者の選択の尊重…………T−20

◇ 「公費(措置)方式」=行政処分として、サービスの必要度や所得等の審査に基づき行政機関がサービスを決定
◇「社会保険方式」=保険料負担の見返りとしてサービス受給
◇「社会保険方式」では受益に見合った負担(応益負担)が基本


4 介 護 保 険 制 度 創 設 の ね ら い …………T−20

◇現行制度の抱える問題を解決するため
◇現行制度を再編成
◇社会保険方式を導入
◇ 福祉サービスも保健医療サービスと同様の、利用手続き、利用者負担、利用者の選択
◇総合的に利用できる仕組みを構築

1介護という新たな課題への対応…………T−20

◇高齢者介護という新たな問題に対処

2効率的,公平な制度の創設…………T−20

◇ 医療提供耐性を含む総合的轄抜本的な医療制度の改革を実施する前提条件の整備

3サービスの受け手の立場に立った制度体系…………T−21

◇利用者本位の制度
◇サービスの選択、介護サービス計画(ケアプラン)への利用者の意向反映
◇介護保険事業計画への被保険者の意見反映

4民間活力の活用…………T−21

◇多用な供給主体の参入により、サービスの選択の幅を広げ、費用の効率化

5高齢者の被保険者としての位置づけ…………T−21

◇高齢者に、無理のない範囲で保険料や利用料の負担を求める


● 介護保険における介護支援サ−ビスの基本理念…………T−23


◇理念の中核は、介護サービス利用者の立場に立つこと
◇「高齢者の自立支援」
◇ サービス担当者が利用者側の立場に他って、
・ ニーズを的確に把握し
・ 「ケアチーム」を構成する関係者が一緒になって
・ 「介護サービス計画(ケアプラン)」を策定し実行していくシステムとして
・ 「介護支援サービス(ケアマネージメント)」を確立
◇ 自立した生活を営む為の解決すべき課題(ニーズ)を個別に把握することが必須→
・ 的確な課題分析(アセスメント)→
・ 課題に対する解決の方向性(目標)を的確に設定→
・ 目標達成に向けた方策の設定→
・ 方策に合致した実際のサービス内容の設定→
・ 介護サービス計画の作成


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