◇ 介護老人福祉施設は、介護保険法§48に定める施設サービスを提供する介護保険施設の一つであり、
・ §86によって、老人福祉法§20の5に規定されている特別養護老人ホームであって特別養護老人ホームの開設者の申請に基づき都道府県知事が指定したものが介護老人福祉施設(指定介護老人福祉施設)とされ、
・ 介護保険法に基づく施設介護サービスが提供できることになっている
◇ 40歳以上の保険事故に該当する要介護者が利用可能な施設である
◇ サービスの内容は、介護保険法§7によれば、
・ 「施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話」と定められている
◇ 介護老人福祉施設は、保険事故に該当し、要介護状態にある40歳以上の要介護者が、自宅で介護サービスを受けながら生活を継続することが困難な場合に、入所して介護サービスを受け、生活を安定させることを目的とする施設である
◇ 介護老人福祉施設は、施設での生活とそこで提供される介護サービスによって、要介護状態が改善され、あるいは家庭の生活状態が改善され、自宅に戻ること可能にして、退所・自宅復帰することを支援する目的をもっている
◇ 介護老人福祉施設は、介護を中心に機能訓練、健康管理、療養上の世話、長期の生活支援などを行うことになっており、生活施設としての意義は大きい
◇ 施設は、基本的には、介護の必要性によって自宅での生活が困難な人々の生活支援を行うが、そのことによって家族へのさまざまな支援を直接・間接に行っている
◇ これからの介護老人福祉施設も、施設機能の地域への開放によって、地域の福祉課題を改善し、施設利用者の社会関係を広げる役割が期待される
◇ 今日の特別養護老人ホームが介護老人福祉施設に転換していくことになる
◇ 現在、特別養護老人ホームは新ゴールドプランの目標をほぼ実現するほどに、整備が進んでいる
◇ 介護老人福祉施設など介護保険施設は、施設介護サービスの評価を行い、そのことによって利用者の立場に立ったサービスの提供を義務づけられている
◇ 特別養護老人ホーム入所者の平均年齢は、全体で81.1歳、男性78.8歳、女性82歳となっている
◇ 75歳未満が年々減少し、85歳以上の超高齢者層が増加し、昭和52年の15.8%から平成4年では35.5%と1/3を超えるまでになっている
◇ 「ランクC」という「寝たきり」状態の高齢者が、入所者の1/4に達し、「ランクB」が1/3で、常時の介護が必要と考えられる高齢者が、現在の特別養護老人ホームには約6割いることになる
◇ 何らかの疾病で受診した入所者は85%に上っている
◇ 「ランクJ」「ランクA」といった比較的軽度の状態の高齢者も4割程度認められる
◇ 痴呆症の高齢者は、約7割に達しており、重度の痴呆性高齢者が約3割いる
@ 介護の私的負担からの開放と社会的介護、利用に当たってのサービスの選択、そして介護・援助の方法としての自立支援
A 要介護者の心身や疾病等の状態を的確に把握し、その状態に合った適切なサービスの提供
B 介護老人福祉施設における介護・援助は、一層個別的に進められ、一律的な介護をできる限り改善していく
C 自立支援
D 自立と家庭復帰を目指す介護・援助の取り組みの重要さの理解
◇ 「療養型病床群」
・ 療養型病床群は、主として長期にわたり療養を必要とする患者を収容するための一群の一般病床であり、人的・物的において長期療養患者にふさわしい療養環境を有する病床群をいう
◇ 「介護力強化型病院」
・ 介護力強化型病院は、老人病棟入院医療管理料を算定する特例許可老人病棟を有する病院であり、過剰診療や付添看護に依存せず、病院職員による寝たきりにさせないケアに重点を置いた医療を行う病院である
◇ 「療養型病床群」の場合、長期療養にふさわしい療養環境を、「介護力強化型病院」の場合には、高齢者ケアにふさわしい医療行為を、それぞれ重視しているが、その意味するところは同じである
◇ 長期療養ケア(ロングタームケア:Long term
care)
・ 慢性的な心身障害をもつすべての年代の個人に対して、診断、予防、治療、機能回復、障害補助、そして健康維持をするための諸サービスによって構成される
・ 目的:身体的・社会的・精神的な機能レベルをその人の最高に高め、維持することに向かうものである
・ 提供する場所:施設に加えて、在宅を含めた施設以外など種々のヘルスケアの活動の場所
◇ 退院後の方向性が明確でない場合はもちろん、退院後、他介護施設へ移る可能性が高い場合にも、決して在宅復帰の可能性を視野からはずさないことが肝要
◇ 在宅復帰を目標にした取り組みは、個々の対象者に応じて、入院している時にとどまらず、在宅療養ができる限り長く続けられるように、退院後も病院機能を活かした形で継続したケアを提供する態勢を整えることが求められる
◇ 在宅での療養が無理と判断される場合には、長期間にわたる入院が必要になってくる
◇ 反復性で難治性の感染症(肺炎や尿路感染症など)、
・ 全介助で難治性の褥瘡、
・ 気管切開や頻回な喀痰吸引などの管理や処置が必要な事例、
・ コントロール不良な糖尿病や排尿障害、
・ 問題行動のある痴呆患者で併発症(合併症)のある事例
・ ターミナルケア(癌の末期など)
◇ 療養型病床群や介護力強化型病院の利用者は、急性疾患の回復期および慢性疾患を有する高齢者
・ 急性期対応医療機関での治療が一段落したもの
・ 入院による医学的な管理(リハビリテ−ションを含む)が必要な場合
・ 在宅で療養生活を送っていたが、疾病のコントロール不良や集中的にリハビリテ−ションの必要な場合
・ 老人保健施設や特別養護老人ホーム等の施設入所者で、治療が困難な場合
◇身体ばかりでなく、精神的な自立や尊厳ある生活の確保が重要であれば、それに対する具体的なアプローチが全人的な評価から実施につながるものでなければならない
◇ 療養型病床群は、介護を提供できる医療機関、あるいは医療を提供できる介護施設として、その果たすべき役割を充実・拡大していかなければならない
◇ 地域住民の健康管理は、各団体や行政等との連携を前提として、病院機能を活かした協力・かかわりが求められる
◇ 老人医療は、予防医療である
◇ 廃用症候群、医原病(薬による副作用等)、合併症、混乱反応、事故等を未然に防ぐ、あるいは少しでも最小限にくい止めるための医学的アプローチが必要となる
◇ 経管栄養・胃瘻・中心静脈栄養・膀胱留置カテーテル等を装置しているような場合には、MRSAをはじめとする感染症に注意が必要である
◇ 施設内でのケアに限定せず、在宅や他施設につながるものでなければならない
◇ 施設内の介護サービス計画は、その日その時のケア内容を組み立てるだけでなく、本人の自立と介護の軽減を中長期的な計画を見据えたものにしていく必要がある
◇ ケアは入院当日から始まる
◇ 回復期の一部と維持期リハビリテ−ションといえる
◇ 身体的な障害に対して訓練をするのでなく、その人の生活全般(生活障害)を見据えた取り組みとなる
◇ 個別訓練・グループ訓練・レクリエーション・心理的バックアップ等
◇ 自宅の状況の把握や家族との連携
◇ 病室や病棟、デイルームなど日常生活している場所を活用する
◇痴呆症状のない利用者と混在あいた病棟になることが多いことを考えると、閉鎖病棟とは違う対応が求められる
◇ 病院の機能を活かした地域への取り組みとして、訪問医療やデイケアが考えられる
◇ 訪問医療は、地域によっては、病院がその役割を担う
◇ 医療機関で行われるデイケアは、多くの場合に自院を退院した利用者が対象となる
◇ 「デイホスピタル」=病院のデイケア(オーストラリア)
・その目的は、在宅への無理のないスロープの役割を果たすこと
◇短期入院では、治療・リハビリテ−ションを短期間集中的に入院という形で提供することが、結果的に利用者の望む在宅療養の手助けになる
◇ 入院中の利用者が、再発作や急性変化を起こしたとき、気をつけなければならないのは、対応の遅れである
◇苦痛の除去を中心とした医療・介護が中心となるが、できる限り自宅に近い環境づくりや家族との連携、穏やかな最期を迎えられるような工夫が前提となる
○おわりに
◇ 今後、高齢者の介護サービスが整備されていくに従い、各施設やサービス機関の連携や専門的な役割を明確にしていかなければならない
◇ 利用者本位で生活のすべて(QOL)を見据えた「医療」でなければならない
◇ 施設内完結型のケア展開ではなく、個々の利用者のニーズに応じた計画的で継続したケアを、地域の諸サービスと連携しながら提供していくこと
◇ 昭和63年7月5日制度化され施設整備基準が定められた「老人性痴呆疾患療養病棟」に続いて、平成3年6月26日制度化された老人性痴呆疾患に対する精神科医療を行うための専門病棟である
◇ 痴呆疾患の主な症状である知的機能の低下に伴う幻覚や妄想などの精神症状、徘徊や興奮などの問題行動に対して精神科医療が行われる
◇ 精神症状や問題行動のために在宅での介護が困難で、施設においても介護困難な場合、やむをえず本人の行動を制限しなければならない状態にある場合には、老人性痴呆疾患療養病棟か老人性痴呆疾患精神病棟への入院医療が必要となる
◇ 随伴精神症状・・せん妄、睡眠障害、妄想、幻覚、興奮、その他
◇ 問題行動・・夜に家族を起こす、外出して道に迷う、徘徊、大声をあげる、火の不始末、その他
◇ 随伴精神症状、問題行動のためにやむをえず行動の制限を行わねばならない場合には、精神保健福祉法の趣旨からいって、精神科病院の精神病室において「精神保健指定医」によっておこなわれなければ違法行為となる
◇ 随伴精神症状、問題行動のために老人性痴呆疾患療養病棟等に入院が必要な痴呆疾患患者は、全痴呆性老人の0.9%と推定されており、現在約10万人
◇ 痴呆疾患として処遇するためにはまず「診断」が行われなければならない.知能低下の有無、あるとすれば先天的のものか後天的なものか、が基本的に確認されなければならない
◇ 老人性痴呆疾患療養病棟の治療目標は随伴精神症状・問題行動の消失ないし軽減によって、在宅または福祉施設での生活・介護を可能にすることにある
◇ 痴呆疾患に対する適切な治療と痴呆疾患患者への適切な対応は、精神症状や問題行動をもつ痴呆性老人の生活の質(QOL)を高めることになろう
◇ 昭和61年12月には、「老人保健法等の一部を改正する法律」を公布して老人保健施設制度を創設、翌62年2月にはモデル事業として全国7施設を選定
◇ 昭和63年の老人保健法改正により、新しいタイプの高齢者ケア施設として「老人保健施設制度」が本格的に実施された
◇ 従来の高齢者のケア施設と異なる点は
・ 単に収容して介護サービスを提供するだけではなく、
・ 病医院など医療施設から家庭へ復帰するための医療、看護・介護、リハビリテ−ション、生活指導などによって高齢者の家庭復帰を推進し
・ かつ家庭復帰に伴う条件整備を支援し、在宅での生活が継続できるようにすることにある
@ 自立支援
A 家庭復帰
B 家庭的雰囲気
C 地域・家庭との結びつき
◇ 現行の老人保健施設は、医療と福祉を統合したサービスを提供する「総合的ケアサービス施設」である
◇ 介護老人保健施設は、"医療の場"と"生活の場"とを結ぶ「家庭復帰施設(通過施設としての役割がある
◇ 現行の老人保健施設は、在宅ケア支援施設として「空床の確保」「ショートステイ」や「デイ・ナイトケア」「退所前後訪問」の実施、「在宅介護支援センター」や「訪問看護ステーション」等の併設を促進させ、地域の実情に合わせてさまざまな在宅ケア支援体制を整備してきた
(1) 入所利用
◇ 在宅介護が困難の際に"いつでも利用できる施設"としての受け入れ体制の整備が必要である
(2) ショートステイ
◇ 現行の老人保健施設のショートステイは、介護を要する高齢者が短期間(14日間以内)入所利用して、ケアサービスの提供を受ける制度である
◇ 短期間の入所利用によって、介護を要する高齢者の心身に刺激を与え、在宅での生活意欲をより高めるとともに、介護者が在宅介護を継続できるように支援していくことが目的である
(3) デイケア・ナイトケア
◇ 介護を要する高齢者の社会的孤立や閉じこもりを防止し、社会の一員としての生活意欲を維持し、心身機能の回復とADLの維持を図るために、しっかりと個別ニーズを把握し、それに基づいたプログラムを作成しながら実施している
◇ 痴呆性の高齢者には、デイケアと同様の内容で、1日4時間以上のナイトケア事業も実施している
(4) 訪問指導
◇ 訪問指導には、入退所前後に入所利用者宅を訪問して、看護・介護、リハビリテ−ションや生活上の相談等に関して、在宅生活支援のために指導する制度である
◇ 現行の老人保健施設療養費においては、退所前に1回、退所後1か月以内に2回の訪問が認められている
◇ 老人保健施設は、家庭介護者や地域住民に対するケア体験や研修の実施などにより、ボランティアの育成、地域のケアシステムづくりをめざす「地域に開かれた施設」として取り組むことが求められている
○ 老人保健施設の目的を果たす主な活動
@ 「家庭復帰施設(通過施設)」として
A 「在宅ケア支援施設」をめざして
B 併設(協力)病院や地域の病医院等との連携をはかる
C 地域における高齢者介護のネットワークの一機関として
D 介護技術教育、ボランティアの養成に努める
◇ 老人保健施設は加速的に整備され、9年間で全国の施設数は1763施設、15万床以上(平成9年8月末現在)が開設されている
1.年齢要件
・70歳以上の者
・ 65歳以上70歳未満の者であって、厚生省令で定めるところにより、政令で定める程度の障害の状態にある旨の当該市長村長の認定を受けた者
・ 65歳未満であっても、アルツハイマー病及びピック病の初老期痴呆患者は、老人保健施設の利用対象者に加えられている
2.心身状態についての利用要件
・ 病弱な寝たきりの老人
・ 病弱で寝たきりに準ずる状態にある老人
・ 痴呆性老人
・ 初老期痴呆により痴呆の状態にある者
3.痴呆性老人の加算床および痴呆専門棟への入所利用
◇ 痴呆性老人加算床の利用者は、中等以上の痴呆でなければならない
◇ 痴呆性老人加算床でケアが困難な重度痴呆の利用希望者については、痴呆性老人専門棟で対応することになっている
◇ 原則として、身体的状態は歩行困難なことが入所の条件である
◇現行の老人保健施設では
@ 相談指導員等がまず入所前の利用者・家族との面接
↓
A 利用者や家族に老人保健施設の役割とその支援方法等について十分説明し、その理解を深める
↓
B 看護・介護職員、リハビリテ−ションスタッフ、相談指導員、医師等によって編成された「入退所検討(判定)会」の協議によって入所利用を決定
◇ 基本事項
・ 「施設の利用目的」「その目的を果たすために必要な利用期間」「退所後のケア計画」
1.利用期間
◇ 利用期間は、できる限り短期間が好ましい
◇ 3か月ごとに「入退所検討(判定)会」において行う
2.重介護者忌避の禁止
◇ 「入所申込者が必要とする介護の程度が重いことをもって入所を拒んではならない」(基準省令)
◇ 経管栄養やMRSA等の感染症の者についても同様
3.病状による入所不適合の場合
◇ 現行の老人保健施設は、病状が安定期にあり入院治療の必要のない者を入所対象としている
◇ 「入所申込者の病状が重いため老人保健施設への入所が不適当であると認めた場合には、適当な病院又は診療所を紹介しなければならない」(基準省令)
4.定員の遵守
◇ 「療養室には定員を超えて入所させてはならない」(基準省令)
◇ 通所者についても、定員を遵守することになっている
5.低所得者の場合
◇ 生活保護法の被保護者等の低所得者の利用については、利用対象者は同じ(?)
◇ 第2種社会福祉事業の老人保健施設(?)の場合は、低所得者の割合を10%以上入所させ、利用料は無料または一般より低額(10%以上)にしなければならない
◇ 利用料の額は、各施設ごとの実情に応じて設定できるが、都道府県知事に届け出たうえで定めなければならない
◇ 施設側には、利用料の適正な水準を確保するために、@利用料の明示、A利用料の掲示、B利用料の領収書の交付、が義務付けられている
◇ 利用料に関する医療費控除の適用についても周知しておく必要がある
◇ 介護老人保健施設はまさに保健・医療・福祉との中間に位置する施設であり、そこで医療が対象とするものは疾患そのものではなく、疾患もしくは老化によって起こった心身の障害やADLの低下である
◇ 現行の老人保健施設の対象者
・ 病状が安定期にあり、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療を要する老人
・ 「病状が安定期にある」状態とは、介護老人保健施設の対象である傷害を引き起こした原疾患に対する治療的医療が終了し、原疾患に対しては維持的な医療で病状がコントロールできる状態や機能障害に対する医学的リハビリテ−ションのアプローチが終了していることをいう
◇ 現在の制度では、この施設内で行われる、保健ならびに維持的な医学的管理を目的にした医療行為に関する費用は、低額制で包括され、施設医療費の項目に一括して含まれる
◇ さまざまな職員のうち、特に看護・介護職員は直接入所者のケアに携わるため、ケア業務の認識と役割を十分把握していなければならない
◇ 看護も介護もそれぞれの立場で主体性と責任ある行動のもとに、それぞれの業務を理解しながら協力し合うことによって、利用者に対するケアサービスの質は向上する
◇ 介護老人保健施設は自立支援を基本的理念の一つとしており、今後ますますリハビリテ−ションのサービスが重要になる
◇ ケアサービスの方向は、PT・OTを含めたケアチーム全体で連携して取り組むべきである
◇ 相談調整指導とは、利用者が、生活上で起こるさまざまな社会的・心理的問題につてい相談に応じ、各種の社会保障制度を活用しつつ、利用者や家族がその解決策を見つけられるように支援すること
◇ 具体的な福祉サービスと同時に、退所者並びにその家族に対して地域の各種福祉サービスが適正かつ円滑に提供されるように施設退所後の生活支援までを含めた、相談調整とプログラムを作成する役割が相談指導員にある
◇ ケアにかかわる医師、看護・介護職員、PT・OT、相談指導員など、全職員の職域を越えたより一層のチームワークが必要である
◇ 機関・団体が地域社会の中で連携することを機関間ネットワークという
◇ 個人を核にした社会資源のネットワークは介護支援サービスを意味し、介護支援サービスを円滑に実行していくための機関間のネットワークは不可欠である
◇ 個人や家族を対象にしてニーズと社会資源とを結び付ける介護支援サービスと、地域社会をベースにして機関・団体・施設が組織化されることの両者が軸としてある
◇ 介護支援サービスを円滑に実施するためには、サービス担当者会議を実施(ケース・アドボケート)
◇ 地域の機関・団体・施設の代表者会議を設置し、累積された事例をもとに地域の社会資源を開発・改善し、さらには量的確保を図るように対応していくことになる(クラス・アドボケート)
◇ 地域の機関・団体が組織化され、さらに実務省によるサービス担当者会議および代表者による社会資源の計画立案機能となる代表者会議が不可欠である
◇ 社会資源
・ 「ソーシャル・ニーズを充足するために動員される施設・設備、資金や物質、さらに集団や個人の有する知識や技能を総称していう」(現代社会福祉事典)
◇ 提供主体をもとに社会資源の分類すると
・ インフォーマルな分野の社会資源・・家族、親せき、近隣、友人・同僚、
ボランティア、(地域の団体・組織)
・ フォーマルな分野の社会資源・・行政、法人、(地域の団体・組織)
◇ フォーマルなサービスの提供主体による社会資源の分類
・ 行政は「行政型社会福祉サービス供給主体」
・ 法人は社会福祉法人「認可型社会福祉サービス供給主体」
・ 企業は「市場型社会福祉サービス供給主体」
・ 団体は「住民参加型社会福祉サービス供給主体」
・ 民間の福祉企業のサービスを行政が買い取り、住民にある種のサービス提供を行っている、「準市場型社会福祉サービス供給主体」
・ 民間団体が実施している介護等のサービスに対して行政が補助金を出している「準市民参加型社会福祉サービス供給主体」
◇ インフォーマルなサポート
@ 家族成員
A 親戚
B 友人・同僚
C 近隣
D ボランティア
◇ フォーマルなサービス
@ 地域の団体・組織
A 社会福祉法人
B 企業
C 行政
◇ 社会資源は具体的なサービスや支援を要介護者等に直接提供できるが、社会資源それ自身は要介護者等の立場になって各種のサービスや支援を調整する機能を、本来もち合わせていない
◇ 特に、フォーマルな分野とインフォーマルな分野との関係では、その調整機能の弱さが目立っている.ただ、両者が協同し織り混ぜていく(interweaving)ことの必要性は、多くの論者の一致した考えである
◇ インフォーマルとフォーマルな社会資源の関係についてのパターン
・ バルマー(Martin Bulmer)による5つの分類
@ フォーマルな社会資源によるインフォーマルな社会資源の植民化
A 両者での競争ないしは葛藤
B 相互関連のない共存
C 両者の協同
D 両者間での混乱
◇ 要介護認定および要支援認定(以下、「認定」という)を行うためには、認定の申請を行った被保険者の心身の状況等を全国一律の方法で調査する必要がある
◇ 調査表は「介護サービス調査票(現況調査)」「介護サービス調査票(基本調査)」「介護サービス調査票(特記事項)」の3部で構成される
◇ 「介護サービス調査票(現況調査)」
・ 通常の調査では一般にフェイスシートとも呼ばれるような調査対象者の状況であり
・ 氏名、年齢等、その属性の概略を把握する為にある
◇ 「介護サービス調査票(基本調査)」
・ 当該被保険者の心身の状態を詳細に把握する為の調査票であり
・ 選択式の設問形式となっており、その結果はコンピューターで処理され
・ 一次判定結果として、介護認定審査会において審査判定のための資料として使用される
◇ 「介護サービス調査票(特記事項)」
・ 「介護サービス調査票(基本調査)」では表現できない被保険者の状況や、訪問調査の際に判断を行った根拠等が記入され
・ そのまま、認定審査会において審査判定のための資料として使用される
◇ 介護を必要とする高齢者の場合、介護を必要とする背景としてなんらかの疾病を有する場合が多く、認定においても、医学的観点からの主治医の意見書は重要な位置づけをされている
◇ そのため、被保険者についての主治医による意見書は、調査員による調査結果同様、認定の審査判定の際の資料として使用されることとなる
◇ 「かかりつけ医意見書」
・ 現症(検査所見、投薬内容、他科受診の有無等を含む)、
・ 心身の状況(痴呆、麻痺等の状況を含む)
・ 傷病管理からみた介護に関する意見(必要な介護サービス、介護サービスについて医学的観点からの留意事項等を含む)
◇ 認定審査会は申請者について、訪問調査の結果と主治医の意見に基づき
@ 要介護状態、または要介護状態になるおそれがある状態(=「要支援状態」)に該当するか否か
A 要介護状態である場合には、その介護の必要の程度について運営要綱「8.要介護状態区分等と状態像」で定める区分(=「要介護状態区分」)等に基づき審査および判定(二次判定)を行う
◇ 該当する調査対象者について以下の資料を準備する
@ 介護サービス調査票(現況調査)の調査結果一覧
A 介護サービス調査票(基本調査)のコンピューターによる分析・判定(=「一次判定」)の結果
B 介護サービス調査票(特記事項)の結果の写し
C かかりつけ医意見書の写し
◇公平・公正で客観的な審査判定を行うため、資料作成にあたっては、氏名、住所等によって調査対象者が特定されるような事項を含めない
◇ 「一次判定結果」に、「介護サービス調査票(特記事項)」「かかりつけ医意見書」の内容を加味し、介護の必要度を総合的に評価する
◇ 上記の総合評価の結果を「要介護状態区分等と状態像」に示した要介護状態区分等と状態像の例示等から考えられる介護の必要度と比較し、「一次判定結果」を変更する必要性が認められるか検討する
◇ 調査対象者の要介護状態区分の判定(二次判定)を行うとともに、必要に応じて介護サービス計画作成において留意すべき意見の取りまとめを行う
◇ 一次判定結果の変更の必要性の判断は、「介護サービス調査票(特記事項)」の調査結果および「かかりつけ医意見書」に基づいて行うこととなる
◇ 一次判定結果を変更して二次判定を決定する場合には、その変更理由を明確にし、認定審査会事務局において記録する
◇ 第2号被保険者である40歳以上65歳未満の申請者については、その障害の原因となる疾病が初老期痴呆または脳血管障害等加齢に伴う疾病として政令に定められたものであることを確認のうえ、審査および判定を行う
◇ 調査結果に不備がある場合、各種の調査結果の間で不整合が存在する場合等には、「再調査」と判定し、再調査を行う
◇ 必要があると判断した場合には、申請者、その家族、主治医から意見を聴取することができる(法§27−9)
◇ 認定審査会委員の所属する施設等に入院、若しくは入所し、または介護サービスを受けている場合には、当該調査対象者の審査および判定に限って、当該認定審査会委員は判定に加わることができない.ただし、当該調査対象者の状況等について意見を述べることは差し支えない
◇ 要介護状態
・ 身体上または精神上の障害があるために
・ 入浴、排泄、食事等の日常生活における基本的な動作の全部または一部について
・ 厚生省令で定める期間にわたり継続して
・ 常時介護を要すると見込まれる状態にあって
・ その介護の必要の程度に応じて、要介護状態区分のいずれかに該当するものをいう
◇ 要支援状態
・ 身体上または精神上の障害があるために
・ 厚生省令で定める期間にわたり継続して
・ 日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態であって
・ 要介護状態以外の状態に該当するものをいう
(1) 要支援状態
◇ 要介護状態とは認められないが社会的支援を要する状態
◇ 日常生活の活動の際に、残存能力を保持し向上させる必要が認められる場合、失われた能力を取り戻すような支援が必要な場合
◇ 日常生活を遂行する能力は基本的に備わっているが、「立位保持」に不安定さみられ、「清潔・整容」「入浴」「衣服着脱」が毎日ではないが週に数回程度の介護が必要とされる場合
(2) 要介護区分1
◇ 生活の一部について部分的介護を要する状態
◇ 「入浴」に関連する能力に若干の低下がみられ、「立ち上がり」「立位保持」「歩行」の不安定さや「物忘れ」などが見られることがある
◇ 「清潔・整容」「衣服着脱」「居室の掃除」「薬の内服」「金銭の管理」等の行為のうち、最小限一つの分野で、少なくとも毎日1回は介護が必要である場合
(3) 要介護区分2
◇ 中程度の介護を要する状態
◇ 「入浴」の直接介護、「排泄」の間接的介護を必要とする場合が要介護状態区分1よりも増加する
◇ 「両足がつかない状態での座位保持」が不安定
◇ 「起きあがり」が自力で困難
◇ 「薬の内服」「金銭の管理」に何らかの援助を必要とする場合
◇ 「清潔・整容」「食事摂取」「衣服着脱」「排泄」「入浴」等の行為のうち、最小限二つの分野で、少なくとも毎日1回は介護が必要とされる場合
(4) 要介護区分3
◇ 重度の介護を要する状態
◇ 「入浴」「排泄」「衣服着脱」「清潔・整容」に対して部分的または全面的な直接介護を必要とする場合が要介護状態区分2よりも増加する
◇ 「両足がついた状態での座位保持」が不安定で、「起き上がり」「寝返り」も自力ではできない
◇ 問題行動がある場合には、「両足での立位保持」「歩行」が自立している等身体の機能水準は高いが、社会生活を遂行する能力はかなり低い
◇ 「清潔・整容」「食事摂取」「衣服着脱」「排泄」「入浴」等の行為のうち、最小限三つの分野で、少なくとも毎日2回は介護が必要とされる場合
(5) 要介護区分4
◇ 最重度の介護を要する状態
◇ 「入浴」「排泄」「衣服着脱」「食事摂取」「清潔・整容」の全般にわたって部分的あるいは全面的な介護が必要
◇ 植物状態で意思疎通がまったくできない人も含まれる場合がある
◇ 「知的能力」が著しく低下している場合等も含まれる
◇ 「清潔・整容」「食事摂取」「衣服着脱」「排泄」「入浴」「寝返り」「起き上がり」等の行為のうち、複数の分野で、少なくとも毎日3〜4回は異なる時間に介護が必要とされる場合
(6) 要介護区分5
◇ 過酷な介護を要する状態
◇ 生活の全般にわたって部分的または全面的な介護が必要である
◇ 「嚥下」に障害がある場合
◇ 自力で「寝返り」「座位保持」はほとんどできない場合が多い
◇ 「清潔・整容」「食事摂取」「衣服着脱」「排泄」「入浴」「寝返り」「起き上がり」「立ち上がり」「立位保持」「歩行」等の行為のうち、複数の分野で、少なくとも1日に5回以上は異なる時間に介護が必要とされる場合
―― 本文終り ――
参考資料…………U−205
参考資料T…………U−207
介護サービス調査票(概況調査)…………U−207
介護サービス調査票(基本調査)…………U−209
介護サ−ビス調査票(特記事項)…………U−214
かかりつけ医意見書…………U−215
参考資料U…………U−219
介護サービス調査票(概況調査)の記入要綱…………U−219
介護サ−ビス調査票(基本調査)の記入要綱…………U−228
介護サ−ビス調査票{特記事項)の紀入要綱…………U−263
かかりつけ医意見書記入の手引き…………U−264
参考資料V…………U−269
要介護状態区分別典型例…………U−269
各要介護状態区分における調査結果の具体例…………U−304
法 令…………U−311
介護保険法…………U−313
介護保険法施行法(抄)…………U−387
介護保険法施行法による関係法律の一部改正新旧対照条文…………U−396
―― 終 ――